こんにちは。絵と文のイラストレーター、「さくらみ(さくらみゆき)」です。
こちらでは、イラスト制作風景や、日常の中のやさしい時間、
心躍るひとときを、イラストでお伝えしていきます。
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宮畑ミステリー大賞作品集、刊行記念トークショー開催です!

縄文4000年の謎に挑む:

福島市【宮畑ミステリー大賞】作品集

宮畑遺跡の「巨大柱」と「焼かれた家」


じょーもぴあ活用推進協議会編(現代書林出版社刊)






縄文時代ってどんな時代だったか

想像がつきますか?



わかっていることは

平均寿命が30歳くらい

だったということ。



そして、その時代は

赤ちゃんが無事に産まれてくることも、

無事に成人まで育つことも、

とても難しい時代だったということ。



死がいつも間近にあり、

それだけ「生と性」が、切実だった

という時代です。



あの、よく見る土偶の形にも、

母性の祈りが

込められているのですね。





そんな時代に産まれたら

不幸だな〜と思いきや、



意外にも、縄文人は

1日の仕事は早々に切り上げて、

豊かにの〜んびり暮らしていた

そうな。



難しい漁や狩りも楽しみ、

動植物と仲良く暮らし、

工芸品も豊かで、



現代の私たちのように、

時間に縛られることもなく、



死者に対する深い悲しみも大きい分、

慈しみや喜びの感情も大きく、

五感も研ぎ澄まされて、



今より、ずっと

幸せで豊かな時代だったとも

言えます。





だから、諸外国の文明のように、

戦いや便利さを追求する必要もなく、

縄文時代は4000年も続いたんですね。





そんな縄文時代の遺跡が

福島県にあると知って、

見学に行ったのは一昨年のこと!



→そのときの記事












この二つの大きなミステリーと謎解きが、

「宮畑ミステリー大賞」に集結。



約10ヶ月の作品選考と審査と、

熱い情熱の中で編集され、

ついに出版されました!




縄文4000年の謎に挑む:

福島市【宮畑ミステリー大賞】作品集

宮畑遺跡の「巨大柱」と「焼かれた家」


じょーもぴあ活用推進協議会編(現代書林出版社刊)






その、刊行記念講演会として、

読書のすすめの清水克衛店長と、






『ブラックジャックによろしく』『海猿』

などでおなじみの大人気漫画家佐藤秀峰さん






(サインもらっちゃったしあわせ



のトークショーが、今週の水曜日、

八重洲ブックセンターにて

開催されますよ〜。


 

佐藤秀峰氏・清水克衛氏トークショー


『福島市【宮畑ミステリー大賞】作品集 

縄文4000年の謎に挑む』 (現代書林) 刊行記念


2016年1月27日 (水)

13時00分〜(開場:12時50分)


八重洲ブックセンター本店 8F ギャラリー



→お申し込みや、トークショー詳細はこちらをどうぞ!






皆様、ぜひぜひ、お出かけくださいませ!

特に水曜日お休みの方!

チャンスです♪




 
 
JUGEMテーマ:オススメの本


 
涙は心の洗濯です



BSプレミアムで
映画「ニューシネマパラダイス」の
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の
特集をやっていました。


この映画は、私の人生で
3本の指に入る好きな映画
なんですが、

トルナトーレ監督が、
自分の生まれ故郷(シチリア島)で、

実体験を元にして作り上げた
ストーリーを使い、
実際に、映写機を動かしていた
少年時代の思い出を
そのまま生かしたことや、

エキストラにも町の人に
どんどん参加してもらい、
今なお、その人たちが町に
暮らしていて、

あのトト少年も、町の子
(当時8歳・演技経験なし)
を採用していたとまでは、
知りませんでした。


なんでも、
その町を自分の場所として、
毎日当たり前のように駆け
回っている子どもでなければ、
いい映画にはならないと
思ったんですって。

(実際にトト少年役の子は、
 大人になって、
 今もその町に住んでいます)


監督ご自身も、
57歳になった今でも、
キラキラした眼をして、
イキイキとしゃべる、
子どもみたいなステキな笑顔の方
でした。


実は、この映画、
昔の恋愛の思い出に直結しており、
あまりにも心の琴線に触れてくるので
5年に一回くらいしか
見ないようにしているんです


でも今日も、特集の中に、
ちょっとだけ挟み込まれた
映画の1シーンを見るだけで、
もう何とも言えず引き込まれ、
笑顔になってしまうんですね。


そして、ラストシーンは、
自分でもびっくりするほど
泣けてしまいます…

何度も見て、わかっているのに。


歳を取れば取っただけ、
味わいが増していく映画。



そう、


あれが時間の流れだし、


あれが人生なんだよなあ。





無常の時の流れが、

切ないのに、あたたかい。


人間が、この物理的世界で
生きていくとは、
そういうことなんだよね。




は〜、久しぶりに、心、
洗濯致しました。


人生の宝物がぎゅっと
詰まった映画。

この世にあの映画があって、
本当に良かった。


JUGEMテーマ:映画の感想

「にほんのマナーえほん」発売になりました!

こんにちは!

今日は嬉しいお知らせです

小学館より、プレNEOBOOKS
『にほんのマナーえほん』
が発売になりました

お年玉のもらい方、
お箸の持ち方、使い方、
朝起きてから、学校へ行くまでに
すること、
和室での決まりごと、
傘の持ち方
年賀状の描き方  etc…

目で見て、学んで、楽しくて、
親子の会話が盛上がる内容です♪

絵も、楽しく
描かせていただきました!


小学生低学年の、お子さん、
お孫さん、姪っ子さん、甥っ子さん
へのプレゼントに、
特におすすめです。


ぜひ、書店で手に取って
ご覧になってみてください


私が懇意にしていただいている
ご注文いただけます♪


数ページだけ、
小学館さんのサイトで
ためし読みができますよ。
 →コチラ



JUGEMテーマ:オススメの本
フォーカス・イリュージョン♪



「頭の中で描いた極楽を
 求めている限り、
 迷いの連続です。

 頭の中でなく、
 現実に息をし、聞いている、
 見えている、

 この現実以外に事実はないと
 知ること。
 これが解脱です」


「魚は、生まれたときからずっと
 海の中ですから、
 そこが水の中だということに
 気づきません。

 なのに、喉が渇いたと言って、
 海の中で魚が水を探していたら
 どうでしょう。

 そこに安心はない、
 そんな愚かなことはない。
 それを人間がやっている」






「魚は迷うだけの能力もないけど、
 人間だけは智慧がある。
 
 智慧がついた分だけ、どこかに
 ほんとうの水があるんじゃないかと
 考えるわけです。

 もっと別のところに水が
 あるんじゃないかと迷う。
 それを『理想』と言ってもいい。
 
 うまい水だ、どうだと言っても
 だいたい不満ですよ」



「そのうち『岸の上に行くと
 ほんとの水があるんじゃないか』
 と考える。

 それで陸の上で
 水たまりなんか探して
 ジタバタする。

 そこでへとへとになって
 ひからびて苦しんでいるとき、
 水の音を聞いてはっとする。
 『ほんとうの水に会えた!』
 と、そこに飛び込む。

 気がつくと
 元の水の中なわけです。
 
 そこには、相も変わらず
 自分の知り合いの魚が
 不平不満をグチグチ言いながら
 泳いでいるわけです」





「その魚たちに、ここにしか
 ほんとうの水はない、
 とさとすことが説法です」

「足りていることに
 気がつくことです」

   〜「生きててもいいかしら?」
     より、板橋興宗和尚の言葉を抜粋

「生きててもいいかしら?」
 著 田口ランディ 板橋興宗
(東京書籍)

このあとも、田口ランディさんと
板橋和尚の興味深い会話が
ずーっと続くのですが、

「足るを知る」という言葉を聞いて、
「そうか、これでもういいんだ」
と自分に言い聞かせたりするのは
ダメなんだそうです。

それはただの自己満足。

そうじゃなくて…

板橋 足らないは足らないままで、
   いま息をしていることに問題がない。
   そういうところに人間の幸せの
   原点がある。

田口 …幸せの原点。

板橋 うん。

田口 幸せの原点には、幸も不幸も
   ないんですね。

板橋 そうですね。

田口 これが難しい。幸せの原点というと
   幸せを求めちゃう。

板橋 幸せを求めるなら、
   幸せも不幸も
   求めないというところに
   いかないと。

(愛宕山の出世階段)


涅槃とは、美しいパラダイスの
ことではない。

思ったような人生ではないけど、
なんとか「間に合っている」。

そこに幸せの原点がある。


そういえば、
同じようなことを、
脳科学の話で
茂木健一郎さんも言っておられました。


「フォーカス・イリュージョン」
…ある一つの状況だけを
「幸せ」と決めつけて、
そのことばかりにフォーカスしてしまい、
「そうでない自分は幸せじゃない」と、
決めつけてしまう価値観のこと。


でも、
それはただの幻想(イリュージョン)で、
実際には、どちらの状況にも、
幸せも不幸せもなく、
逆に言えば、どちらの状況にも、
幸せも不幸せも同じだけある。


だから結局は、
今の自分のありのままの状況で
「幸せ!」と思えた人が
ほんとの幸せとのことでした。



そうよねえ。
人間は、みんな「無いものねだり」。


迷いのない人生なんて無いのに、
迷いを無くそうとしたり、

今自分が生きていることだけで
奇跡はあふれているのに、

そんな自分の豊かさは見ずに、
欠けたところだけにフォーカスして、
ジクジク責めてみたり、

うん、もったいないよね。



2008年出版の本ですが、
とっておいて良かった
ときどき読むと、ほんと、
はっとします。


まだ絶版にも
なっていないようす♪
    →こちら

また、迷いを持ったら開こうっと




JUGEMテーマ:心にきた名言


お知らせ:
ホームページをリニューアル
しました。
画像↑をクリックでジャンプ♪


田口ランディさん「サンカーラ」

 「ひとのすがたが、いちばん
 うつくしいのは……、
 ははは、そういうことがあるんですよ、
 このがさつな俺でも、ああ、にんげんは
 うつくしいなあと思うときが。

 それはね、海山でみたときです。
 自然のなかでひとはいちばんうつくしい。
 じつにゆたかなかおをしている。

 春に海でわかめや海そうや、ひじきを
 とったり、山でつわぶきをとったり、
 春、いのちがいちばんにぎわう季節にね、
 そのいのちの、にぎわいのなかにひとが
 いるときが、いやあ、ほんとうに
 うつくしいなあとおもう。

 この俺にしてそういうことをおもわせる自然は、
 ねえ、たいしたものだとおもいませんか。」

   (漁師で、水俣病患者の緒方正人さんが、
    放射線量の高い福島県飯館の森に、
    今も住み続ける小林麻理さんに
    語りかけた言葉の一部より
      「サンカーラ」137ページ)



人間は、自然と切り離しては
生きていかれないということは、
今どき、子どもだって知っていますが、


私は、東京に住み、
電気を使って、環境に残るゴミを
出しながら、
今もぬくぬくと便利に囲まれて
生活しています。


原発やそのほかの環境問題を、
政府やら国やら会社やら、
得体の知れない大きなもののせいに
したところで、

福島の友人たちの何の助けにもならず…

自分自身、当事者意識のないままに、
ただ何となく、日常に流され
日々は過ぎてしまう。


今すぐ止めても、半永久的に
手に負えない廃棄物を出し続ける原発。

汚染されているからと、
削り取られた土壌は、近所の公園で、
こんもり山になってシートをかぶり、
自然の循環から外されて、
これではますます浄化しようもなく…


じゃあ、どうするの?
と言われたところで
解決案など一向に思い浮かばず、

何を発端にして、
どう動いたらいいのか検討もつかず、


そんな答えの出ない問いかけに、
小さな明りがさすような本を、
田口ランディさんが、
綴ってくれました。


冒頭の引用に続けて、
緒方さんの語りには
核心となる深い言葉が続くので、
皆さん、ぜひ、読んでみてください。



『サンカーラ 
 この世の断片をたぐり寄せて』
 著:田口ランディ 新潮社

「今、自分が生きている時代には、
 こういう事実があって、
 こういう人が、こういう言葉を
 語っているんだ。

 ああ、私はこのことを
 知らずに終わらなくて良かった」

と、私はランディさんの本を読むと、
いつも思います。

この本も、ドキュメンタリーのような、
エッセイのような…で、
いつものランディさんタッチ。
水のように柔らかくて読みやすい。

人って、やっぱり誰かから、
押しつけのような言葉で
ものを言われたくない生きものです。

原発のこと、震災のこと、復興のこと、
それが正しそうな、
いかにももっともな意見であればあるほど、
どんなメディアであっても、
すうっと冷めていくものです。

でも、ランディさんの本は、
そうじゃないんですね。
読むと、言霊が、こだまのように
返ってくる。


そのこだまは、
人をいたずらにせき立てることはなく、

でも、
かけらとなって、
ずぅっと心にとどまって、

寄せては返し、寄せては返し、

あるときふと、思いがけないときに
よみがえってきて、
言葉をふりしぼる勇気や、
立ち止まって考える勇気を
与えてくれる。


ランディさんは、私にとって、
そういう言葉を自ら聞きに行き、
考え、綴り続ける、
数少ない作家さんです。


世の中にはたくさんの本が
あふれているけれど、
こだまが返ってくる本は
本当に少ない。


だから、こういう本を見つけたら、
大切にしたいし、ぜひご紹介したいです。



身近な生老病死、

震災、原発、復興、

広島、東海村、

水俣、アウシュビッツ、アレクセイの泉、

 そこにブッダの視点が加わると…

いや、そのブッダの目が、
実は自分の目だったとしたら?


サンカーラ…「諸行無常の行」


私は、結論のない「終章」が
とても良かった。
現在進行形で、私も考えたい。

皆様にも、
ぜひ、ご一読をおすすめします!




JUGEMテーマ:オススメの本
ドクスメ@2013
 
ドクスメさんに
年始のご挨拶に行ってきました


年始にドクスメで本を買うと
縁起が良さそうでしょ?


清水店長は、バリバリお元気でした♪


大晦日にはたくさんの人が集まった
そうなんですが、お店がピカピカだったので
「いつお掃除したんですか?」
と聞いてみたら、

「うん。(ドクスメ店員の)小川くんがね、
 朝みんなが帰ったあと、掃除してくれた
 みたい」

「わ〜、小川くん、偉いね〜!」

「あいつは、いつも、見えない所でいろいろ
 やってくれてるんだよなあ…」



帰り道、仕入れた本を、
電車の中でさっそく読み始めました。



「13歳へ」
著アルボムッレ・スマナサーラ
(初期仏教長老)
サンガ刊


この本、すごい!

シンプルかつ、重要な教えが
たったひとつ、
ものすごくわかりやすい言葉で
書かれています。

なるほど、これは開運の秘訣だわ。
読まないと、
もったいない本だなあって
思いました。

え? でも、13歳じゃない?

大丈夫!

13歳プラス「○十年」の大人の今こそ、
読んでおきましょ

→ご注文はコチラですよ♪
 (表紙が大ちゃんの「ダーナ」も買おう!)


JUGEMテーマ:オススメの本

個性と才能、

今日は久しぶりに
をご紹介します。
 
  ↓
よしもとばなな、
松尾スズキ、菊地成孔、
高橋ジョージ、荒俣宏、
張本勲、押井守などなど、

 
いろんな仕事のプロたちが、
自分の子どもの頃のことを
淡々と語っている本です。

 
この方たちは、みな、
ある分野での才能が
ずば抜けて優秀で、
有名な方たちですが、

 
面白いのは、
どの人も、子どもの頃に
「偶然」出会ったり、
「たまたま」周りにいた
同年代の友達や、
大人たちの影響を、

 
知らず知らずのうちに
 
強烈にもらい受けて、
今の自分なり仕事なりに
たどりついているんですね。

 
…ということは、
私たちもきっと
同じなのです。

 
私たちは、子どもの頃
「偶然」周りにいた
友達や大人の影響を、

 
知らないうちに
多大に受けて、今の自分に
なっているのです。

 
えっ? 
そんな自覚はない?
 
…そう! 
そこが面白くもあり、
恐ろしくもあるところ
ですよね〜。

 
だってある意味、博打的
と言えなくもないもの☆

 
でも、人って
博打的に出来上がって
いるからこそ、
個性が違うんだなあと、
 
私はこの本を読んで、
しみじみ思いました。

 
どうやら、
意識するしないに関わらず、
 
今の自分は、
今まで出会った人「全員」の凝縮形、
のようです。

 
人って、自分で自分のことは、
よくわからないものです。

 
だって、
ほとんど何の自覚もなく、
気付けば、
今の自分になっていたんだものね。

 
でもまさか、
今まで何気なく
出会った人たちが
自分の形成にこんなにも
色濃く影響しているだなんて…!

 
その中にはもちろん、
良い学びもあっただろうし、
トラウマになりそうな
イヤな思い出や、
反面教師だと思った学びも
あるでしょう。

 
それらの出会いの記憶が
自分の中でプラスになったり
マイナスになったり、
 
化学変化を起こしながら、
知らず知らずのうちに
刻み込まれて、
 
このカラダひとつの中に、
今、こうして
ギュッとおさまっているの
ですね。

 
しかも、その記憶は、
この地球上で
誰一人同じ人がいないのです。

 
だから、人はみな、
すでにして、
どうしようもなく個性的な
存在なんですね。

 
そして
有名人のように
わかりやすくはなくて、
 
いろんな方面に
分散していたり、
見えにくい形をしているかも
しれないけれど、

 
ときには
のび太くんのように
「落ち着きが無い」とか
 
ジャイアンのように
「怒りっぽい」とか、
 
マイナス面ばかりが
強調されて指摘されることが
あるかもしれないけれど、

 
それも含めて、
その人の「今のありのまま」
の表現や生き方が、
 
その人の才能の現れとも
言えるようです。

 
つまり、今、
自分の足で立って、
この世に生きている人は、
みんな、ちゃんと才能を
発揮しているのです。

 
だから生きていられるのです。

 
は〜、
なんだか、衝撃的でした。
特に、子ども時代に、
歓楽街の路地裏で育ったという
ミュージシャンの菊地成孔さん
の話、面白かったナァ。

 
私たちも、
疑似インタビューで
自分にきいてみると
いいかもしれない。

 
「あなたは、子どものころ、
 どんな子だった?」

 
「周りはどんな環境で、
 どんな友達や、
 どんな大人がいた?」

 
「この友達の
 こんな行動が、面白かった!
 とか、
 この大人の、この言葉に
 強烈に目を開かされた!とか、
 記憶に残っている経験が
 あったら教えて」
 
って。

 
きっとそこには、
網の目のように緻密な
人間ネットワークと、

 
瞬間的でも、非常に
濃い情報のやり取りが、
たくさん存在していて、

 
それが今まで、
自分をこうして生かし、
支えてきてくれたことにも
遠からず、
思い当たると思います。

 
たとえば、今放映中の
NHKの朝ドラ
「梅ちゃん先生」にも、
 
頑固でマジメで誠実だけど、
いつも苦虫を
噛み潰したような顔をしている
お父さんの建造さん
と、

 
お調子者で、
人を明るくするけれども
何事も大風呂敷になりがちな
陽造おじさん
 
という正反対の兄弟が
出てくるんだけれども、

 
面白いんですよね、
 
それぞれならではの
良さと味があって。

 
思えばこういう、
いろんなタイプの大人が
周りにいてこそ、
 
子どもははじめて、
真っ当に育っていけるのかも
しれませんね。
家族という、良くも悪くも
濃密な関係を軸にしつつ、
さらに大きな視野で、
生きる術を学んでいくためには、

 
ちょっと離れたところで、
多種多様な生き方をしている
他者という存在が、
どうしても必要。
 
清水店長さんが、
 
よく口を酸っぱくして
おっしゃることには、
 
「飲み過ぎとか、
 ゴミのぽい捨てとか、
 お行儀の悪さを、
 
 ちゃんと叱ってくれるような
 近所のおじちゃんや
 おばちゃんの存在って大事だよ!
 
 大人はそういう人に
 ならなきゃいけないよ!」と。
 
本当ですね。
 
私も子どもの頃、
 
お風呂やさんの前で
屋台を張っていた、
おでん屋のおばちゃん
(通称:おでんおばちゃん)に、
 
いつもあたたかいまなざしで
見守ってもらい、

 
人生の1ピースを
学ばせてもらったことを
思い出しました。

 
人の生きたかけらは、
その人が亡くなったあとも、
周りの人の心の中に
「小さな光」になって
残るのですね。

 
そして、自分が「たった今」
発した言葉や生き方が、
 
周りの人や子どもたちの
生き方にも、
ただちに影響を及ぼしていく
ということ、
 
それだけは、ユメユメ
忘れずにいこう

 
JUGEMテーマ:オススメの本
カフカとアリスの物語
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私が小学校低学年のころの話。


今思うと、父の「作り話」は
決して雄弁だったわけではありません。



オチもたいてい、中途半端だったし、
話が終わらないうちに
父が寝てしまうことも多かったのです。




でも、小さい娘はそれだけでも
おおいに勇気づけられ、
闇の中でも、自分の心をしっかり
取り戻すことができました。


気が付くと、まぶしい朝になっていて、
父はとっくの昔に起きていて、
食卓に座って元気いっぱいに
私を待っていました。
「みーちゃん、おはよう!」と。


今思うと、なぜ父はあんなに快活で
優しかったんだろう…?と思います。


甘ったれの私、
泣けば慰めてもらえると
半ば確信犯だった私…

それでなくとも貴重な父の眠りを
幾晩も幾晩も、中断しただろうに。



でも、私の覚えている限り、
冷たくおざなりな返事を返されたことも、
闇の中に置き去りにされたことも、
一度もなかったです。
ほんと、ただの一度も…


今、自分が親になっていたとしても、
あんなに優しくできたかどうか…ちょっと
自信がありません。




こんなことを思い出したのは、
村上春樹インタビュー集1997-2009に、
面白い挿話が載っていたからなんですよ。



「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです
 〜村上春樹インタビュー集1997-2009」
 著:村上春樹 (文藝春秋)


それは、フランツ・カフカに
共感できる話として、村上さんが
語っていたこんな実話。


ある日、カフカは公園で、人形を無くして
大泣きしている小さな女の子に出会います。


そして興味深いことに、
カフカはその日から3週間、
その子に「人形からの手紙」を装って、
毎日手紙を送り続けるのです。


最初は

「いつも同じ家族とばかりいて退屈してしまったので、
 私は旅に出ることにします。
 でも、あなたのことは大好きだから
 毎日手紙を書くわね」

という内容から始めて、

毎日、毎日、
「こんな人に出会って、こんなことを思ったわ」とか
「こんな街に滞在して、こんな家族と過ごしたわ」とか、
いろいろな物語を書き送り、


そして3週間目の、最後の手紙には、
「今日はビックリするようなご報告よ。
 私は素晴らしい男性に出会って、
 恋におちました。
 そして明日、結婚することになったの!

 遠くへ行くから、あなたにはもう手紙は
 送れなくなるけど、
 あなたのことは一生忘れないわ」
と…。


うーん、お見事。


村上さんは
大切なのは、人形を無くした子どもが
3週間の間、毎日手紙を楽しみに読むことによって
だんだん心が癒されていき、
最後のお別れの言葉も、すとんと腑に落ちて、
元気に日常に戻っていったことだといいます。


それこそが「物語の力」だと
いうのです。



そして、カフカみたいに
見ず知らずの少女に手紙を毎日送るような
マメで面倒なことは、
普通の人にはなかなかできないかもしれけれども、
同じ小説家として、
それを楽しんで行ったカフカの
気持ちはとてもよくわかるし、
自分も機会があれば出来そうな気がする…と
おっしゃっていました。


(詳しくは(そして正しくは)本をお読みください。
 村上さんご本人の言葉で読むと、他にもいろんな
 イメージが浮かび上がってきます。
 この本は、そうでなくとも、あらゆる意味において
 面白いので!)




いやー、私がもし今、10才に満たない年の女の子で、
カフカがそうしたように
村上春樹さんが自分のためだけに作ってくれた「物語」を
毎日聞くことができたとしたら…
それはもう、めちゃくちゃ心躍る、幸せで
楽しい体験だろうなあ!と想像します。


面白すぎて、きっと眠れないな…フフフ。



ちなみに、フランツ・カフカは、
「読書のすすめ」清水店長の
にあった「列強人物伝」に言葉を借りると
こんな人です。






この言葉に関する、
清水克衛さんの解説
      ↓







「絶望名人カフカの人生論」
編訳:頭木弘樹(飛鳥新社)


「一番うまくできるのは、
 倒れたままでいることです」


ラブレターの言葉だったんだ… 

ブッ 暗すぎますね。



でも、カフカは、確かに暗い人
だったかもしれませんが
「物語の力」をよく知っている方だった
のでしょう。


しかも、そのあまりの無防備かつ
正直な暗さゆえに、
かえって、後世の作家に
新しい物語と、探求の可能性を意図せずに提示し、
大きな影響を与えることになったというあたり、
とても面白いじゃありませんか!



少女を元気づけようと、
人形からの手紙を送り続けたという話も、
心あたたまりますね。







この、カフカに関するインタビューは
村上さんが書いた
「海辺のカフカ」の発表の翌年に
行われたもの。


「海辺のカフカ」は
ステキな図書館に寝泊まりする、
日本の15歳の少年の成長物語で、
こちらも文句無しにおすすめです


「海辺のカフカ」(上・下)
著:村上春樹(新潮文庫)



とにかく、「良きこと」を願って
語られた小さな物語には、人の心を
あたため、希望をもたらす力があるのですね。


ただ、「物語」は影響力が大きい分、
注意しなければならないこともあると
村上さんは再三語っています。

世の中には、良い顔を装った
巧妙な「悪しき物語」があって、
それはしばしば、人の心を徹底的に蝕み、
損なうことがあるというのです。


たとえば、独裁政治で繰り返される文句、
たとえば、オウムに代表されるカルト宗教の教義、
たとえば、無差別テロの主張、
正義を振りかざした戦争…etc.


これらはときに、圧倒的な説得力で
人の弱さにしのびこみ、考える力を
奪います。


逆に言うと、「良き物語」を幼いうちに
しっかり心に根付かせ、
安心させてあげることが、
そうした「悪しき物語」から、人を
救うことになるのかもしれません。



そうでなくとも幼いころ、
お父さんお母さん世代の大人に、
楽しい物語(作り話)をきかせてもらうというのは、
(たとえ、それがあまりうまくなくて、
 オチが中途半端であったとしても…)
楽しくて、忘れられない想い出です。



それはきっと、見えないけれど
大きな「生きる力」になるはずです。


みなさま、今宵もどうか、
未来にはばたく希望の子どもたちに、
心のこもった「良き物語」を
語ってあげてくださいませ








「大好きだった父」の日によせて…


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JUGEMテーマ:オススメの本
愛って何?


だいぶ突然ですが、皆さん、
「愛」って何だと思いますか?









「愛するということ」
著:エーリッヒ・フロム(紀伊国屋書店刊)


今までいろんな人におすすめされながらも
どうしても手が伸びなかったこちらの本を、
最近やーっとこさ読んでみて、
すっごくビックリしたのですが、



なんと、


「愛とは、


   とどのつまりは…


 



 集中力である」


と書いてあったんです。




  !!





集中力…





わたし、ちょっとぶっ飛びました。
そんなことを言いきった人って
たぶん、今まで、
ほとんどいなかったんじゃないでしょうか。



もっともこの本は、
人生のタイミングによっても、
人によっても、
違うところがヒットすると思うので、
解釈も若干、変わってくるかもしれません。


恋愛まっただ中にいる人、
結婚しようとしてる人、
人に言えない恋や離婚に悩む人など、
いわゆる「愛するということ」そのものに
探究心や疑問を持って読む人もいれば、

「人類愛」について考えたいという人、
「家族愛」について考えたいという人、
地球環境や、生物への愛について
考えたいという人、

自分の仕事に愛を感じたいという人や、
会社での人間関係に悩む上司や部下が
お休みの日に、人知れず、そっと
読むこともあるでしょう。

その人それぞれのタイミングによって、
それぞれの読み方ができる本だと思います。


そして私はこの本は、おそらく
エーリッヒ・フロム自身が、自分を戒め、
何度も読み直したいと思って書いた本なんじゃないかな
と思います。


社会に対しても、
仕事仲間や家族に対しても、
自分に対しても、
決して少なくはない憤りをかかえつつ、

「どうしてだ? 
 どうして、あのとき、そこに愛はなかったのだ!?」

という感じでつきつめていって、
たどりついた答えなんじゃないかなって
思うんですよ。

そんなことは一言も本には出てこないんですけど、
やっぱり、どこか生っぽくて、リアルな感じがして。
人間が書いた本だなって感じが
すごくいいなって思います。


さて、


「愛とは集中力」
という所に戻りますが、


私はこの意見におおいに賛成です。



たとえば、

だれかの話を、じいっと聞いたり、


目の前にある食べものの、
背景にまで目をこらして、
そこに奇跡が見えてきて、
感謝や感動を覚えたり、


今しようとしている仕事に
全神経を集中させて、
細かいところまで行き届くように
注意深く目をこらしていったり…


そう、そこにはまさしく
「愛」があります。



目の前の出来事や人に、
愛を持って
じっと目をこらし、


その人や、その出来事が、
言わんとしていることを丁寧に聞こうと
耳をすます。


すると不思議なことですが、
自分の内側からも、声が
聞こえてくるのです。



外側のものに、
丁寧に注意を払うことをきっかけに、
内側にも愛が生まれる。



こうなると、もう、外にも内にも
愛がいっぱいです。




愛のささやきを聞くには、
とっても心静かに、
耳を傾けなきゃなりません。


自分の内側に「要求」とか「怒り」とか、
「どなり声」がある状態では、
とてもじゃないけど、愛のささやきは
聞こえてこない。


そっと、じっと、耳をすます。


…ね、だからものすごく、
集中力が必要なんです。



ちなみにこの「集中力」は、
技術で高めることができると
エーリッヒ・フロムは言っています。


つまり、
「愛」は技術で十分高められる、というのですね。


いいでしょう?


愛は、技術で、じゅうぶん高められる!



もちろん、「忍耐」は必要ですよ。



でも、
「集中する」とか
「忍耐が必要だ」とかって考えると、
すごく難しいような気がするけど、

「自分の心を静かにして、
 目の前の人や、物や、出来事に、
 じっと目をこらし、耳をすます」

っていうことだったら、
自分にも
できるような気がしませんか?


それが愛につながり、愛そのものになる技術。


誰にでもできて、豊かな気持ちになれる、
集中の不思議、
それが愛。


ああ、
人間って、ほんとに
すごい力があるんだなあ!



「そこに愛はあるのかい?」
と自分の疑問を持ち出してきて
たずねる前に、

そこにあるものを、ただ、
やさしく、じっと見つめる。

そこに、愛が生まれるのですね。





JUGEMテーマ:心にきた名言


いよいよ今週土曜日。
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(私も参加します)→たねまき読書会

コチラの本にも、愛がいっぱい!
   ↓
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今日はちょっと実験をしてみました。
なるほど〜、こんなふうにまとめてくれるのね。
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