こんにちは。絵と文のイラストレーター、「さくらみ(さくらみゆき)」です。
こちらでは、イラスト制作風景や、日常の中のやさしい時間、
心躍るひとときを、イラストでお伝えしていきます。
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選び取るということ
なつまつり.jpg

「自分探し」というのが
流行するのは、

つきつめてゆくと、
自分にとって、
一番効率良く楽に行ける道を
選びとりたいのに、
選択肢がたくさんありすぎて
選べない…
という、いわゆる
「贅沢な悩み」に
属するものなんだと思う。


「昔はもっと、選択肢自体が
 少なかっただろうから、
 悩む必要が無くて良かった
 だろうになぁ」
なんてことを言う人もいるけど、
とんでもない!
やっぱり、自分で、
自由にものを選べるっていうのは
素晴らしいことなんだよね。


でも、選べないプレッシャーって
いうのもよくわかる。

自由ってこわいことだ。
それは自分の弱さへの言い訳と
合わせ鏡になっている。


その例としていつも思い出すのは、
私が29歳のある日、
イラストレーターになろうと
突然決意して会社を辞め、
初めて直面した「画材選び」のこと。


 クレヨン、鉛筆、色鉛筆、
 パステル、水彩絵の具に
 アクリルガッシュ、リキテックス、
 岩絵の具に、マーカー、カラーインク
 版画、銅版画、ドライポイント、
 エッチング、リトグラフ…


それまで絵らしい絵なんか、
一枚も描いたことが
なかったので、
何を自分の画材として
極めていけばいいのか、
わからなくて本当に困った。


たとえば線を一本引くのだって、
筆のように太いのがいいのか、
ペンのように細いのがいいのか、
それとも線無しの表現にするかで
悩むのに、
ましてや、画材選びだなんて………。

全ての画材を片っ端から
試すような資金はとてもないし、
どの画材にもそれぞれの魅力があって、
「とても選べない」って思って、
それだけで圧倒されてしまった
ものだっけ。


そういうときは
どうしたらいいのかと言うと、
何でもいいから、
その時点で自分がアクセス
しやすいもの、
100%じゃなくていいから
何となく興味を引かれたものを
選んで、
とにかく一歩、踏み出してみる
ことです。


結果それで、間違ってしまっても
いいのです。
とりあえず何かひとつを選んで、
踏み出すことが大事。


直感が120%後押ししてくれる
のを待っていたら、
人生なんか終わっちゃうし、
100%正解の道を選ぼうとすると、
心って
その瞬間から泥沼にはまりこみます。


まず、あわてないこと。
そして心を静めて、
ノートに言葉を書きながら
お腹の深いところで
そっと考えを転がしてみて、
その時点でできるだけ素直に
共感できる扉を選んで、
ノックすること。


これだけでいい。

そうするとどうなるか…


もちろん、
廻り道だったかなと…
思うときはあるでしょう。
失敗したなって思うときも
あるかもしれない。


でも紆余曲折を経て、
最後にちゃんと正解に
たどりつけたとき
「この廻り道って最高だったな!」と
必ず思えるものです。


え? 最後に正解に
たどりつけるのかって?


そう。不思議なことに、
一歩ずつ踏み出していった人は、
最後には必ず
正解にたどりつけるし、
それが一番の近道で
あったことにも気が付くんですよ。
そして、
それが「一番の近道であった」
ということは
結局のところ、間違いは何もなかった、
全てが正解だったということなのです。


不思議でしょう?
…うん、不思議ですよ。ほんと。


時間はかかります。
どんなことだって本当に
確信を持てるように
なるまでには、10年くらいは
簡単にかかる。


10年よりもっと早く
確信を掴める人がいるとしたら、
それは失敗を怖がらずに
(むしろたくさん失敗して)
学び取ろうと努力した人だけ
なんじゃないかな。


とにかく、どんなにこんがらがって
混沌としていたものも
時間とともに、だんだん整理されて、
きちんと「おさまるべきところへ」
おさまっていく…
私は物理が大の苦手ですが、
そういう物理の法則があるのかしら? 
と思うくらい、それは正確な気がします。


こだわりすぎて、
身動き取れずにいるよりも、
「体験」からどれだけ「学べるか」に
賭けたほうが、
人生の実りはずっと多くなります。


がんばりましょo(^^)o



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