こんにちは。絵と文のイラストレーター、「さくらみ(さくらみゆき)」です。
こちらでは、イラスト制作風景や、日常の中のやさしい時間、
心躍るひとときを、イラストでお伝えしていきます。
<< December 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< サンタの準備はもうできた? | main | 頭痛のタネ >>
絵と文エッセイ「高知県安芸市への旅」

 

安芸1_タイトル1.jpg

 
安芸9_全体図.jpg


 

安芸2_タイトル2.jpg

 

「今日は旅先で、
 ひとり御飯か…」

 
 思い切って一人旅に出ても、
そう思った瞬間、
やっぱり胸はキュンとする。

 
さびしくなったらどうしよう、
変な人に声をかけられたらどうしよう、
今までの旅の記憶から不安だった瞬間、
こわかった瞬間がどんどん
よみがえってくる。

 
実際には今まで、そんな不安が
的中したり、本当にこわかった
ことなんて、一度もない。

 
でも妄想はムクムク重たく
ふくらんで私をぎゅっと
おしつぶす。

 
高知県の「安芸市」という
田舎町を旅したときもそうだった。

 
着いたホテルの部屋からは
明るい土佐の海が一望!
 
なのに、心はがらんとして、
青いカーペットに
吸い込まれそうだった。
 
「さ…さびしいっ」
 
私はベッドに突っ伏した。


ーーーーーーー


 
不安をごまかし一夜をすごし、
翌朝、駅で無料の自転車を借りる。

 
人っけのない町を
ゆらり、ひとこぎ、
ゆらり、ふたこぎ…

 
そう、気付けば
お日さまがポカポカと
わたしを照らし、
風はふうわりと優しかった。


 
その瞬間、
心を覆っていた黒雲が、
嘘のように消えていった。

 
気づけば
道ばたの花、過ぎ行く風、
稲穂の波、青い空、
白い雲に囲まれて、
わたしは無限の祝福に包まれていた。

 
不思議だ。

 
そのとき私は、ただ
意識だけの存在となって、
 
さくらみゆきという名前も、
絵を描いてご飯を食べている
という職業意識も必要ない。

 
目の前で風に揺れている
白い花と同じように、
ただそこにいるだけで
許されている存在だった。

 
  …その自由さ、開放感!

 
自然と溶け合う感覚は、
あまりにも幸せで
切なくなるほどで、
 
私の心はほろほろと震えた。

 
やがて町外れの田んぼまで
来ると、聞こえてくるのは、
鳥のさえずりばかりになった…。

 
   

 
…それから過ごした数時間は、
のんびり鄙びた良い思い出だ。

 
観光名所の資料館は軒なみ定休日で、
それがかえって旅を深めてくれる。

 
気が向いた所で自転車を止め、
あとは風景に身をひたすだけ。

 
少しさびしいからこそ、
確実に深まっていく何か…。


 
安芸3_map1.jpg

 
「高知駅」から「安芸駅」までは、
電車で約50分。


 
安芸4_野良時計イラスト.jpg

 
安芸5_野良時計説明.jpg




 
安芸6_土居イラスト.jpg



 
安芸7_土居説明.jpg




 
安芸8_酒屋イラスト.jpg


 
 
帰り道、先ほどの道を
自転車で逆にたどり始めると、
サラサラサラ…と優しい音が
聞こえてきた。

 
ふと見れば、澄んだ小川が
私の左側を一緒に走っている。

 

「私たち、きっと

 同じ所をめざしているよね」

わたしの問わず語りに
小川はキラキラと笑ってみせた。


その優しさに包まれながら、
私も海に向かって
元気よく走った。


 
安芸3_map2.jpg

 
(「安芸駅」から「野良時計」までは
 約2キロ。
 駅前のレンタサイクルは無料。
 海もキラキラして、
 
キレイだったなあ…)



 
安芸9_全体図.jpg
(仕上がりはA4版2枚
 になっています)

以上、高知県安芸市の旅でした。


 
♪この他の旅の
イラストルポ(日本へん)
を読んでみたい方は

JUGEMテーマ:国内小旅行

保存保存

保存保存

COMMENT









Trackback URL
http://sakura-miyuki.jugem.jp/trackback/1731
TRACKBACK