「僕らが作っているロケットはですね、ハイブリッド
ロケットと言われていまして、特徴は爆発しない
ということです」
北海道の「赤平」という町で
数十名の社員さんと共に、本業のリサイクル重機
の製造開発のほかに、ロケット開発に取り組まれ、
今や、小型の人工衛星の開発や、アメリカ民間宇宙開発企業
との協同事業などもされている、植松努さんのお話です。
「一般的なロケットは、機体が破損すると
中からこぼれ出た燃料とか水素とかガスとか
まわりのものの破損で大爆発をおこします。
僕たちはそれを二次燃焼が起きない
ロケットエンジンの実用化に成功しました。
爆発しないのと、有毒ガスを出さないのが
最大の特徴なんですね。これがどれくらい
安全かと言いますと…
これ僕ん家です。家の隣で実験しているんですね(笑)
うちの子どもたちは、ロケットは自分の家で作る
ものという間違った常識を持ってしまったんじゃ
ないかと思います(笑)」
会場大爆笑の渦の中、
家の隣の町工場で燃焼実験を繰り返すスライドを
見せてくださる植松さん。
実験のたび、すごい音がするそうですが、たとえうまくいかずに
爆発しても、家から眺めていても安全なのだとか(笑)
学校の先生も、銀行の融資係の人も、税理士さんも
最初は誰も信じてくれなかった、小さな会社の
本気のロケット開発。
でも、宇宙開発に必要なもののほとんどは
近所のホームセンターで買いそろえられる材料で、
1から作ることができたと
植松さんはおっしゃいます。
「うちに建っている無重力実験棟、作ろうと思ったら
最初は3億円かかると言われました。
でもうちの会社の子たちが図面を引き、調べ、
やってきた結果、結局2400万円ちょっとで建ちました。
彼らは2億7500万円くらい稼いだことになるんですね。
人工衛星を試験する装置があります。
宇宙と同じような超真空状態、マイナス200℃という
環境を作り出す装置です。
日本には茨城県つくば市という所にあります。
一日600万円かかります。
装置を買うと行ったら2億円と言われました。
いや、これは無理だなあと思ったけど、よくよく
仕様書を見て調べたら作れそうだねということで、
作ってみました。そしたら材料代だけで20万円で
できてしまったんですね。
僕たちの作っているロケットも外部に
委託したら、おそらく2千万円と言われましたけど
自分達で作ったら数万円です」
「うちの会社では、そういう、一応世界にも認めて
もらえる宇宙開発をやっているんですけど、
メンバーはと言いますと、大学を出た人間は
僕以外に確か一人か二人しかいません。
今、ロケットエンジンを一所懸命に作っている子は
工業高校を中退して、ラーメン屋さんでアルバイト
していた子です。ロケットの燃料を作っている子は
焼き肉食い放題の店で働いていた子です」
好きが高じてロケット工学の本を読みふけっていた社員の若者が
会社の代表としてアメリカに行ったら、
学校の英語では点数は30点だったのに
ロケットの専門用語の会話が通じたうえに、
図面も仕組みもよく解ったと大喜びで帰ってきたそうです。
ただ、レストランでは何も注文できなかったと…(笑)
でも、植松さんはおっしゃいます。
「そんなことはたいしたことじゃないんですね。
食う気になれば何だって食えます。
大事なことはのめりこんでやること、好きでやること。
それは必ず世界で通用するということなんだと思います。
大事なことは自分の価値だとか、能力だとか、
特技だとかを最大限に発揮できる土俵に乗っちゃう
ことなんですね」
「できない」というのは、
自分の中に「できない」という
思い込みがあるから。
「そんなの誰もやったことがないのに、
できるはずがないよ」
と人に言われて育ってきて、
それを自分の言い訳に使うことに慣れてしまったから。
でも本当は、ホームセンターの材料でだって、
立派なロケットや人工衛星が作れる。
立派な宇宙開発ができる。
失敗して爆発してしまったら、1から何度でも
作り直せばいい。
失敗したことは、データ化すれば全部宝物になるのだから…
「リスクヘッジと言って、リスクを避けて通っても
ろくなことはないのです。
失敗を繰り返し続けることがすごく大事なことです。
お金が無きゃ、自分でやればいい。
知識が無ければ学べばいい。
時間が無ければ時間を作ればいい。
言い訳している暇があったら動けばいい。
人間の持っている唯一の資産は時間です。
この時間をいかに有効に使うか、ということ」
「給料が多い、少ない、休みが多い、少ない
と、就職情報誌で会社を選んじゃいけませんね。
こんな夢に未来も何もありません。
子どもの未来も同じです。
学校の成績で未来を決めるのではなく、
「好き」で「のめりこめること」を応援してあげる。
大人も子どもも、のめりこめる夢を数多く持つことなんです。
どうせ無理とか、できっこないとか、
それをひっぱがせばいい。そこに
幸せがあるんです」
そして、こうもおっしゃっていました。
「中学で先生に進路の相談をしたとき
『僕は将来、飛行機とかパイロットとかの仕事がしたい』
と言いました。すると
『馬鹿じゃないの。お前の頭でできるわけないし、
そもそも芦別に生まれた段階で無理』と絶望
させられたことがあります。
ほとんどの人が無理だと言ってくれました。
『いいねえ』と言ってくれた人はいませんでした。
だけれども、その時自分を支えてくれたのは
自分の中にいるたくさんの仲間でした。
僕の中にはですね、エジソンもいるし、
野口英世もいるし、キュリー夫人もいるし、
ベーブルースもいるし、いっぱい人が入っています。
伝記が好きだったんですね。伝記は苦労してやり遂げた
人のお話なんですね。ライト兄弟は『俺たち、東大に
いってないから』っていうんですね。『確かにそうだな。
ライト兄弟は東大、行ってねえや』と思って勉強して
好きなことに向かっていったら、いつの間にか
飛行機とか、ロケットができるようになりました」
そして、講演の最後には、ご自分の工場見学に来た
たくさんの子どもたちと一緒に、植松さんが
小さなロケットを飛ばす実験をしているようすが
kiroroの「生きてこそ」という歌と一緒にVTRで流れました。
「人の可能性を摘み取ってしまう社会を何とか変えたい」
そうおっしゃる植松さんは
十年後の未来のために、子どもたちに関わり、
「夢ってこうやって形にするんだよ」
「誰だって、自分の手でやればできないことはないんだよ」
と、可能性に輝く未来を、宇宙開発を通して
伝えようとされているのです。
もう、涙が止まりませんでした。
もちろん泣いているのは私だけではありません。
聞けば講演の直後、控え室で植松さんに抱きついて
号泣した「てっちゃん」というギターリストがいたんだとか(笑)
講演会のあとでロビーに出ると、
会場中の皆さんが、熱く、さわやかな
子どものような目になって、
植松さんの小冊子をぎゅうっと握りしめ、
植松さんのサインをいただくために
長蛇の列に並んでいるのを見ました。
熱気は、そのまま懇親会に持ち越され、
さらにはそのあと3次会の居酒屋でも。。。
私はね、そのときが、一番嬉しかったです。
植松さんの今日の講演で
どの話がどう胸に響いたのかを、
誰に聞かせるでもなく、
偶然座った目の前の人に、
ひとりひとりが語るそのようす…
決して雄弁ではないのです。
でも心の底からあふれてくる熱いものを
ヘタでもいい、自分の言葉で語らずにはいられない。
そんな波が伝わってくるのです。
NPO法人「読書普及協会」では、
これまでにも何度か講演会を主催してきましたが
まる4年間の中でそうやって、
感動を自ら表現せずにいられない仲間たちを
見たのは、初めてでした。
植松さんの、
体験して積み上げてきた方でなければ語れない説得力
に、誰もが胸を打たれたのです。
その日
赤平からCAMUIロケットが飛ぶことが、講演参加者全員の
夢になりました。
(清水理事長(左)と植松さん(右)は、偶然同じ8月17日生まれ!)
植松さんの活動は、まだ日本の方にはほとんど
知られていません。
私だって、札幌に行く前は「民間のロケット開発か…ふうん…」と
それくらいのものでした。
でも、でも、
この方は、近いうちに、必ず日本に
新しい波を起こし、日本人の意識を変えるでしょう。
そんな植松さんの講演会が、なななんと、近々
東京でも催されるというではありませんか!
きゃ〜〜〜!! えらいこっちゃえらいこっちゃ!!
これは大チャンス〜〜〜!!!
しかも参加費無料です。
講演の詳細は、植松さんご本人のブログをご覧ください。
→
カムイスペースワークスブログ
植松さんの講演は、ぜひ
日本中の皆さんに聞いていただきたいです。
「夢って、決して遠いところにあるものじゃなく、
地に足をつけた、この足元から始まるものなんだ」
って思い出すことができるから。
植松さんの講演でいただく感動は、私がこうして文字に
してお伝えする何万倍ものパワーがあります。
皆様、もしお時間があるなら、ぜひこの機会に
植松さんご本人のお話にふれて、笑いと涙と
感動をいただいてくださいませ♪
植松さんの小冊子は、
コチラにてお求めいただけま〜す。
(初めての方はアカウント登録から)
薄い一冊の中に、上記でお伝えした以外にも、
これでもかこれでもかとばかりに
ぎゅうっと宝石がつまっておりますよ〜(^0^)ノ
飛べ!CAMUIロケット! 日本の未来を乗せて…(^0^)
↓
(^▽^)ノぽちっ
ありがとちゃんですっo(^o^)o
ちなみに…11月23日、24日は、読書普及協会でも
イベントを行います。植松さんの講演会の
前後に参加していただいてもっ(≧▽≦)ノ うふっ
11月23日「招福コンサート」
11月24日「桜井章一さん講演会」
サッポロちゃんツアーのご報告、
まだまだ続きます♪お楽しみに〜♪