こんにちは。絵と文のイラストレーター、「さくらみ(さくらみゆき)」です。
こちらでは、イラスト制作風景や、日常の中のやさしい時間、
心躍るひとときを、イラストでお伝えしていきます。
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夏の終わりの一日
今年の夏は…


夏の終わり


なんだか激しい夏だったなあ。








2008年の夏さん、



たくさんの経験をありがとう!









来年もよろしくです。






「明日9月1日がお誕生日」のサチボンさんと、
一日早くお祝いランチをしましたラブ

バースデー

”Bon anniversaire"(ボナニベルセール!)

フランス語で「お誕生日おめでとう!」の意です。





先日、呼吸法の先生に、



あなたの世代になったら、

 親が子供に還っていく時期に入ったって
 ことなんだから、


 子育てだと思って、しっかり
 親孝行を楽しみなさい





とお言葉をいただきました。






そうですね! 


サチボンさんは、すでに
どんどん可愛くなっています(笑)


楽しもうっとo(^^)oラブ



JUGEMテーマ:アート・デザイン

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体の声を聞く
ひかり



バジリコ


先日ご紹介したこの本の中で、
板橋興宗和尚さんが、こんなことを
おっしゃっていました。


「生き物が生を与えられたとき、もうすでに

 死にたくないということと、

 他に認められたいということが、

 一体で刷り込まれているんですね」




なるほどねひらめき

それって、生まれたときからの欲求なんだぁ。





そして、




「魚が海の中を泳ぎながら、

 水を求めるように、



 すでに水の中にありながら、

 水を求めようとする」






これが人間の煩悩の始まりとおっしゃっています。




そうそうひらめき
すぐに忘れちゃうけど、私たちは
すでに豊かさの中にいるんですよね。

それにまず、
感謝できなきゃ何も始まらない。




そして、そんな人間が、
どうしたらしっかり生きられるのかと言えば…?




「命というのは、この息づいているからだが
 わかっていることなのです。




 からだが感じていることが生命であり、
 生きていることの事実なのです。




 頭を使わないことです。
 たえず、体の感覚に目を向けることですね。





 からだがわかっている。そのことを納得
 しなければ、足りるということはありません」


とのことでした。






やっぱり人間は、最後、「体」が入り口なんだなあ。


何てったって
3次元の世界に生きているんだものね。




夏祭り





体の「かそけき声」を聞く。



そういえば、私のスピリチュアルな友達も、
体の声を聞くのが得意な人が多いのです。




私も、からだの声を聞こうとすると、いつもより
食事の量が減ったり、
ウォーキングの距離がほんの少し増えたりします。



さじ加減は、
「少しつらいな」くらいがちょうどいいみたい。





先日は、
自分の部屋の書棚が、いつの間にかパンパンに
なっているのに気がついて、

「ああ、今すぐここの棚を、空っぽの、
 何もない空間にしたい!」

と思い、


夜中に、突然そうじを始め、
気づけば押し入れの書類棚にまで手を伸ばし、


30リットルゴミ袋5個分の書類と、
段ボール4箱分の本を「排出」。
(うち1箱は「越後屋さん」行きるんるん




 ぴかぴか気持ちよかった〜!!ぴかぴか




目に入る場所に、スペース(何もない空間)を作ると、
それだけで、ホッとしますね。
体が伸びる。






そういう所からでも、少しずつ、
自分の体とお友達になりたい私です o(^^)o






JUGEMテーマ:健康

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サザンとお坊さんはスゴい! というお話
今週号のメルマガでご紹介した3冊を、
画像でもご紹介しま〜す(^o^)


よつばのクローバー「闇の子供たち」著:梁 石日(幻冬舎文庫)
闇の子供たち


同名の映画はコチラ


映画の主題歌は、サザンの『現代東京奇譚』。
この歌が、映像と一緒に心に焼き付いてしまい、
離れません。


映画ではエンドロールで流れたんですが、
私を含めて観客の皆さん一同、
この曲が全部終わるまで
ほとんど立ち上がる人がいなかったです。


やっぱりサザンはすごい。

 これからも、
 あの曲を聞くたびに、私はタイのことを思い出すし、
 
 タイのことを思い出すたび、
 あの曲を思い出すんだろうな。。。



桑田さんは本を読み、この映画のために
曲を作ったのですが、
映画の内容を直接的に表したものではなく、
あえて、東京の闇と結びつけて
『現代東京奇譚』と名づけています。





あと2冊は、田口ランディさんの本をご紹介しました。


よつばのクローバー「寄る辺なき時代の希望 
― 人は死ぬのになぜ生きるのかー」著:田口 ランディ 
(春秋社)

ランディさんの本



よつばのクローバー「生きててもいいかしら? 
― 生と死をめぐる対話」著:田口 ランディ・板橋 興宗
(東京書籍)

ランディさんの本




じつは2008年の夏は、田口ランディと、
重松清に、ハマりまくました。


ランディさんのノンフィクション作品は、
どの本も読みやすく、
びびっときます。


ガン医療のこと、原爆のこと、

引きこもりの家族のこと、

水俣公害のこと、チェルノブイリ原発のこと、

浦賀べてるの家のこと、老人介護のこと、など、


これからの時代を生きていく私たちが、
いろんな問題について
「自分で考えようとすること」の
呼び水になってくれます。




今回のメルマガでは、載せきれなかったけど、
こちらもいいです。
  ↓
よつばのクローバー「生きる意味を教えてください 
ー 命をめぐる対話」  
著:田口ランディ (バジリコ出版)
バジリコ



この本で、ランディさんは、「生と死」について
いろんな人と対談しています。

    宮台真司(首都大学東京教授、社会学)
    藤原新也(写真家・作家)
    西垣通(東京大学情報学環教授、情報学)
    内田樹(神戸女学院大学教授、現代思想・身体論)
    竹内整一(東京大学教授、倫理学)
    鷲田清一(大阪大学総長、臨床哲学)
    玄田有史(東京大学教授、労働経済学)
    森達也(映画監督、作家)
    板橋興宗(御誕生寺住職)

…と、まあ、すごい方ばっかりなんですが、
エライ先生方のお話が続いたあとに、
最後に出てくるのが、お坊さん。


それが板橋興宗さんという和尚さんで、
この方のお話が、また、響くこと、響くこと!





本上記で挙げた本の紹介メルマガは、
コチラでお読みいただけます。




そして、最後にもうひとつだけNEW!

じつは、メルマガに書いた、タペとマナンのことを、
写真と別の文章でご紹介したブログ記事
があるのです〜。

よろしければ、こちらも合わせてご覧ください。
   ↓

 船バンコクの少年 タペの記事


 子供首長族の少女 マナンの記事
 

 

以上、長いお知らせに
おつきあいくださり、ありがとちゃん(^0^)ノ



JUGEMテーマ:読書
メルマガより抜粋

読書普及協会メルマガ「本調子☆強運道」
2008年8月22日号に
わたしが寄稿させていただいた文章です。


.:*・゜.:*・゜.:*・゜.:*・゜.:*・゜.:*・



ここに一冊の本がある。

*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*
【闇の子供たち】  著 梁 石日 (幻冬舎文庫)
*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…


この本を、人にすすめていいものか…

私は正直、今でもわからない。



それほどえぐいのです。

でも現実の話。




映画も見ました。
http://www.yami-kodomo.jp/


何度も目をそむけたくなったけど、
でも、やっぱり、見てよかった。


私自身、自分の目で確かに見たことのある街角や、
田園の風景の記憶と、その風景がつながったから。


タイ北部の貧しい村で、今、
子どもたちに起こっている現実。

親に売られ、バンコクに連れてこられ、
生きたまま殺されて闇ルートに臓器を流される子。

性の目覚めの前に、世界中からやってくる旅行者の
性の奴隷として生きることを徹底的に覚え込まされる
子どももいる。

やがて彼らは、虐待に傷つき、エイズにおかされ、
まだ息のあるうちに、黒いポリ袋に入れられて
ゴミ置き場に置き去りにされ、死んで行く。

日本人は、子どもを買春する側の筆頭でもあるという。



そんな一部の現実を知ったところで、
一個人に人を救うことなどできやしない、
誰もが自分の現実の中で、
やることがいっぱいあるんだから、
そんなこと、わざわざ知ろうとしなくても
いいじゃないかって、
人は言うのかもしれない。


だけど、私は、
かつてタイという国を旅したことがあり、
そこで、魂のふれあいをいくつか経験した
のです。

だから、どうしても、知らずに生きることは
できないって思ったんだ。


   ーーーーーーーーーーーーーー



10年前、私は「太陽と微笑みの国タイ」を
訪れました。

バックパックを背負い、ぐっと口角を上げて
意気揚々としてはいるものの、ほんとの所、
海外のひとり旅は初めて。ビビりまくり。


でも、タイの人の笑顔は、
キャッチコピーそのままに優しく、

仏教国で、町中にはいたる所に寺院があり、
花が咲き乱れていて、

寺院では朝から、人々が祈りを捧げ、
ダライラマのようなオレンジの衣のお坊さんが
合掌して、ほほえみかけてくれました。


そんなタイでの初日、ある寺院の片隅で、私は
ぴょんぴょん元気に飛び跳ねている
5歳くらいの男の子に出会ったのです。





利口そうな目をくりくりさせて、
木によじ登ったり、子犬を追いかけ回したり、
片時もじっとしていない。

生命力がオーラのように、全身からあふれている。


  「わ、可愛い〜!」


引き寄せられるようにして、
その子のいる道を歩いていくと、
やがてその子も私に気づき、


好奇心いっぱいの瞳で
私のほうをじっと見ました。



それが、タペとの出会いでした。



タペは、私がしゃがみこむと、
警戒心を抱くこともなく、しげしげと私を見、
私の抱えている大きなスケッチブックを見つけて、
「見せて」というように、トントンと
ノートの端を叩いてみせたのです。


中には、
私がその日一日の旅の行程の中で、出会った人々や
食べ物のスケッチが描いてありました。


「いいよ! 見せてあげる!」


ノートを広げ、

「この絵はね、
 隣町の屋台のおばちゃんだよ。
 ほんの少し、スープをおまけしてくれたんだよ。

 それから、この赤ちゃんとお母さんはね…」

と日本語で説明していくと、
タペは、もちろん私が何を話しているのかは
わからないのだろうけど、
目をキラキラさせてじいっと見入ってくれました。

そして、
自分の胸とスケッチブックを交互にトントンとたたき、
「僕も、ここに描いて」
と言うのです。


夕暮れの、
南国特有のオレンジ色の空の下、
白い花のむせかえるような香りの中…


私はどっかりそこに腰をおろしました。


鉛筆を握り、スケッチブックを開き、
タペを見ると、
彼は子犬を抱え込み、すました顔で
ポーズを採りました。



やがて描き上がった絵…

うん、うん、
われながらよく描けたと思うヨ!

けれど、タペからは
「だめだめ。僕のTシャツの
 このマーク、まだ描きこんでないでしょ」
とダメ出しが出ます。


「そうか、よしよし」と、そのマークを
描き込んでいると、
タペはきょろきょろと辺りを見回し、今度は
自分のサンダルが裏っ返しに転がっているのを
見つけて、「これも描いてね」と言わんばかりに、
トントンと叩くのです。


「うーん、そうか、サンダルもね」と笑って
描き加えてあげると、
タペはしげしげとその絵を見て、
ほかに付け足すものがないか、さらにキョロキョロ見渡し、
それからぴょんと立ち上がり、そばの木陰に
猛ダッシュ。


よく見ると、夕闇に沈む木の影に
べったりと座り込んでいる女性がいて、
タペはそのひとの手を引っ張って、
こっちに向かおうとしているのです。

「アラ…お母さんも描けってか? ウフフ」

やがて、
私の前に戸惑うように座り込んだ女性を見て、
私は一瞬ぎょっとしました。


ほおは痩せこけ、しわしわで、疲れ果てた表情。
とても年老いた人のようで
視線はさまよい、
「この世には希望などない」と
虚ろな目が語っている。


それでもスケッチしていくうちに、
タペが動き回る様子を見守るときだけ、
その人の表情が揺れ動くのがわかりました。

タペも、そんなお母さんが好きで好きで
たまらないようすです。


そして、大好きなお母さんが、ちゃんと
描かれているかどうか、タペは今や、
私の隣に立って、
私の鉛筆がなぞる線を、厳しくチェックしているのです。


私はダメ出しされないように、
Tシャツの絵柄はもちろん、スカートの模様まで、
うんと念入りに絵に写し取りました。

タペはとても満足して、笑顔になり、
そのスケッチブックを欲しがりました。


だけど、旅は始まったばかり。
そのままあげるには惜しくって(笑)

そこで私は
「明日、別の紙に書き写したのをあげるから
 待っててね」
と日本語で言い、立ち上がりました。


その日から四日間、その日のスケッチの成果を、
帰り道の途中で
タペ親子に見てもらうのが、私の大事な日課に
なったのです。





バッグパッカーひとり旅の中で、タペの笑顔は
私の大切な宝物。

たった四日間の、一日15分ほどの
短いふれあいだったけど
タペのことを思い出すたび、今でも
心にポッと灯りがともります。




タイ北部の村で、首長族の村に泊まり、
首長族のマナンという9歳の
女の子に会ったときもそうでした。

彼らはミャンマーの難民で、
村からは一歩も出られない
という生き方を余儀なくされていたけれど、
明るく、やさしく、子供らしく、
命いっぱいに生きていた。

子どもの生きる姿って、それだけで
なんて大人を元気にしてくれるんだろうって
思ったものです。


私たちの間には、共通の言葉なんかいらなかった。
それでも信じ合える何かがあった。


タイという国は、にぎやかで騒々しく、

そりゃ、少しはぼられもしたけど、
それは、その後の旅で価格の事前交渉の醍醐味を、
楽しめるようになる最初のきっかけでもあり、

何より多少のピンチがあっても、
そのたび、文字通りの「人情」に救われ、
タイの人が信じられないほど、優しく、
大らかで、あたたかいことに感動していました。



けれど、そんなタイも大きな病巣を抱えている
のです。

当たり前かもしれない。
日本だって、こんなに病んでいるんだもの。

何でも、
「ひとくくり」に決めつけることはできません。



アメリカだって世間の言うように「戦争大好き
な国」と位置づけてしまうのは簡単。
でも実際には日本人以上に
平和な生き方を実践している人だっている。

マスコミでは、とかく暗くて救いようのない
情報ばかりが先に流れるもの、
だから本当のことを言えば、
私は旅をするそのずっと前から、
そういう、東南アジアの臓器密売のことや、
日本人の買春の実態も
少しは耳にしていたんだと思う。
ただし、大人の話として。


でも、実際、
アジアのその地を自分の足で歩いてみたら、
そこには生きる力に満ちた、
優しくあたたかい人たちがたくましく
生きていて、

特に、子供たちは、まぶしいような笑顔で
元気いっぱいで、

私は、そのことが、とても嬉しかったんだ。



なのに今また、寄せては返す波のように、
負の現実は戻ってきて、しかも今度のそれは
とてもリアルだった。



タペは、
寺院でお坊さんたちにかわいがられて
いたとはいえ、
貧しい路上生活者だった。

タペの存在の向こうに危ういものを見て、
そして、タペのお母さんの絶望が、
どこから来たものだったのか、どうしても
考えずにはいられなくなった。

その加害者の一国に、紛れもなく、
日本があるというその事実…




私は思うよ。

なぜだろうって。

日本もタイも仏教国。
どの町にも、お寺って必ずある。


そして、私は、決して信心深くはないけれど、
生活の中に溶け込んだ神仏の教えを、
からだの一部にしみこませ、
冠婚葬祭を行い、


茶道を習うようになってからは、
その禅的生き方の中にこそ、ますます
人が生きる神髄があるように感じて
生きてきた。


人々は「和」の中に暮らしているし、
その輪から一歩も出る必要はないと思って
生きてきた。




けれども闇はある。それも、すぐ隣に。

どれほど豊かになろうとも、
どの国にも、心を病んだ人がいて、
病みは、闇でつながっている。


大人の話なら、まだいい。
けれど、子殺しや児童買春が、
この世にはまだ厳然と存在している
ということを
一体、どう受け止めたらいいのか。



お釈迦さまは、2千5百年の昔から
人間が豊かになり、いくら進歩したように
見えても、
闇が闇のままであることを
すでにお見通しだったという。



そして「仏縁」がなければ、
人は救えないのだと、
突き放すようなことも、
はっきりおっしゃる。




けれど、

光は光のままで、
闇は闇のままで、

ただ無関心に放っておけばいいのか。




私は、それはやっぱり違うと思ったのです。




私は、たまたま、縁あって、
タイで出会った人たちと、ほんの少し深い
ふれあいをしました。


そして、その人が、そこに生きていたと
いうことが、
今でも私の心を明るく照らしてくれます。


今、タペ少年やマナンが、どんな生き方を
しているのかは分からない。
生きていればタペは15歳。マナンは19歳。
光の中にいてくれればいいと思うけれど、
闇の世界に引っ張られてしまった可能性
だってある。


だから、私は、
闇も、光も、両方見つめようと思う。

それが、私とタペやマナンとの「縁」
を活かす、最初の一歩だから。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



人を活かすも「縁」、殺すも「縁」。

その摩訶不思議なもの。

「縁って何だろう?」

その問いに、ヒントをくれる本がありました。


*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*
【寄る辺無き時代の希望 
ー人は死ぬのになぜ生きるのかー】  
     著 田口ランディ (春秋社)
*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*


ある日、著者のランディさんのもとに、
若者から一通のメールが届きます。


「どうせ死ぬんじゃないですか。
 人間はいつか死ぬのです。

 それなのに、生きる意味って
 あるんですか。
 一生懸命生きても、いつか死ぬんです。

 病気で死んでも、自殺で死んでも、
 しょせん死ぬのだから、どういう方法で
 死のうと同じじゃないですか」

この読者のメールに、ランディさんは、最初、
どう答えていいか分からずに、唸ったと
いいます。

そしてそこから、
「人は死ぬのに、何故生きるのか」
というテーマへの、あてどない旅が始まり
ました。


この本で、水俣病患者の杉本さんという女性に
関して、こんな記述が出てきます。



 『 「水俣病はノサリと思ってます」

   杉本さんはそう言った。

   ノサリと言われてもその意味が
   わからなかった。


  「ノサリというのは、どう言うんかなあ…。

   自分が望んだんではなくて、向こうから
   やってくるものを指す言葉です。

   大漁もノサリ、病気もノサリです」



  このノサリは、水俣だけの方言ではなくて、
  熊本県内ではわりと使われる言葉だと
  聞いた。

  動詞形でも使われ、魚の群れに出会って、
  大漁になると、「今日はノサッた〜」と
  言うらしい。』




 『「いま、自分がこうしていられるのは
   水俣病のおかげです。

   たくさんの御縁をいただいたのも、
   いろんなことを知る
   ことができたのも、経験できたのも、
   水俣病になったからです。

   そりゃあ、いじめられて、差別されて
   悔しい思いもしました。死のうと思った
   こともありました。
    


   でも父は言ったとですよ、
   人は変えられんから
   自分が変わっていこうばい、と。

   そのときはなんてことを言うんだろう
   と思ったけれど、
   でも、やはり父の言うことは正しかった
   と思います。

   いじめられたから差別のつらさがわかる。
   教えられたとです。だから私がいまこうして
   おるのは、みんな人様のおかげです。



   人が生き方を教えてくれるとですよ。
   人から学ぶとですよ。
 
   今は、どんな人も自分の味方と思っとります。
   敵がいなくなりました。

   だから私は、水俣病をノサリと
   思うとるんです。」』

       (以上、上述の書より引用)


向こうからやってくるもの、ノサリ。

それは、ある人生にとっては、人間を凌駕して
手に負えないほど大きい。


けれど、
そのノサリを、良き事も悪い事も
すべてを光に変えられる、
そんな人がこの世に実際に生きているんだ
ということ。


その人の生き様や言葉から、人の無限大の可能性を
教えてもらうこと。

それも縁なんだと思う。

そして、こういうことを知ることが、
人が力強く生きていくことの、最初の一歩に
なるんじゃないのかな。



この本に載っているのは、
ガン医療のこと、原爆のこと、
引きこもりの家族のこと、
水俣公害のこと、チェルノブイリ原発のこと、
浦賀べてるの家のこと、老人介護のこと…。

そこに「目に見えない力」の
話が加わってそれらは、すべて「死」に
直結していく。


人は、「死」を見つめることで
「生」を知り、地にぐっと足が着いてくる。




ランディさんの本をもう一冊。
*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*
【生きていてもいいかしら? 
 ー生と死をめぐる対話ー】
  著 板橋興宗 田口ランディ(東京書籍)
*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*


板橋興宗さんという和尚さんとの対話の本。

板橋和尚さんは、82歳の福井県「御誕生寺」の
住職さん。
ガンの再発で転移もあり、あと余命どれほどあるか
予想がつかないという方です。
けれど、その言葉は、ひょうひょうとして天衣無縫。


「いま、生きているということ以外に
 <いのち>はありません。

 理想の世界=極楽を頭に描くことは妄想です。

 いま生きている以外に<いのち>はないのです。
 
 いまの<いのち>を留守にして、何かを求める、
 これが迷いの根源です」



「頭の中に描いた極楽を求めている限り、
 迷いの連続です。

 頭の中ではなく、現実に息をし、聞いている、
 見えている、
 この現実以外に事実はないことを知ること。

 これが解脱です」

        (以上、上述の書より引用)

ランディさんは、そんな板橋和尚との対談の中で、
ときに堂々巡りの問答にいらつき、ときには和尚を
「狸親父」とさえ呼びながら、生きることへの答えを
さがしもとめていく。

ついには横にいた、
本の編集者さんまでが、核心を知りたくて
板橋和尚にこう問い正します。



「ここでこうして生きている、という事実は、
 たまたま生まれ、たまたまこうしているだけで、
 そして将来、たまたま死ぬだけではない
 でしょうか?
 そこにどんな意味がありますか?」


板橋和尚は答えます。

「それでいいではないですか。
 それは数百万年という因縁の集積です。
 その時、その場が
 不思議な出会いの連続です。
 不思議なものです。」



「何が真実か。事実か。
 それはたとえばいま机を叩いている。
 この音しかない。

 涅槃も、地獄もありません。
 事実は、自分にとっての事実です。
 それが同時に、何億年かの事実の
 集積です。

 それを、極楽とか地獄とか名前を
 つけているだけです。
 事実の不思議さ、面白さ、素晴らしさに
 気づくことが涅槃です」

       (以上、上述の書より引用)


不思議な本です。
こうしていくつかの言葉だけ引っ張りだしても、
全貌は見えない。
もどかしいけど、分かるようで、分からない。


けれど、一冊を通して読むと、
<いのち>のメッセージが、どかんとパッケージ
されているのです。


そういえば、私のお茶の先生、吉田晋彩先生は、

ときどき、こんなお話をしてくださいます。


「一日一日を大切に生きなさい。



 何があっても、
 幾百万あろうとも、我行かん!

 そう、お腹の底から思い続けなさい。





 途中でやめちゃだめだよ。

 一生そう思い続けなさい。




 自分の人生なのに、

 自分の面倒は、
 
 自分でしか見られないというのに、

 誰かが何とかしてくれると思って

 逃げ回っている。
 
 でも、決して逃げられないよ。



 だから、

 何があっても、死ぬ一瞬まで負けないこと。
 

 杭にひっかかっても、
 そこで止まらずに、再びすっと
 流れていくこと。



 気持ちをギュッと持って、
 何があっても、行くぞという気持ちで、

 一日一日をしっかり生きなさい」



この言葉を思い出すたび、
私のからだの真ん中に、「生きるエネルギー」
が、どんっと座る。



人間は、ときどきやってくる虚しさや、
悲しみの波にはあらがえない。



その波を、上手にいなし、
自分をいつも明るく燃え立たせ、
一隅を照らして生きるには、
どうしたらいいのか。



どうしたら、出会った人との縁を、
最大限に生かし、命のリレーを
まっとうすることができるのか。


ランディさんの本を読んだり、
お茶の先生のお話をうかがう中で、
私は、やっとひとつの
結論にたどりついた気がしています。



それは、すごくすごく当たり前のこと。




ひとつは、
規則正しい生活をすること。

ひとつは、
一つのことを覚悟して極めること。


優しさも、強さも、その姿勢から
おのずと生まれてくるように思います。




そして今、一つだけ私に言えるのは、


 私たちは、とても恵まれているのです。

 日本の人は、とても恵まれているのです。


私は、タイで出会った、
貧しい小さな少年タペや、
首長族の女の子マナンの、
光と闇の現実に、そのことを教わりました。

どんな悩みがあったとて、そのことは
忘れちゃいけない。
それに感謝できなきゃいけないって思う。




日本という、豊かな国に生まれたというのに、
今、みんなが途方に暮れている。

でも、たいていのことはうまくいっているのに、
うまくいっていないことのほうばかり
先周りして見て、へこたれてやしないか?



死にたくないって思っても、
絶対に死ぬのが人間。


どんなに生きるのが
虚しいなあって思うときがあっても、
一生懸命、生きなきゃいけないのが人間。


そんな人間という生き物が、
ふと、しみじみと愛おしくて
たまらなく思えるなる瞬間があったとしたら、

それは生きるよすがになる。


「縁」は、その瞬間を連れてきてくれます。


私にとって、それは、
タペを思い出す時、子供たちの笑顔にふれる時。

私はその縁にそむかない生き方をし、
死ぬ一瞬まで、それを大事にしたいと思う。



みなさんにも、生きる勇気を与えてくれた
「御縁」がおありですか?

その縁を思い出して、しっかりひきよせて、
つぶやいてみてください。

「幾百万あろうとも、我行かん!」
って。

自分という存在が、じつはたくさんの
御縁の上に、
成り立っていたのだということの不思議さ、
ありがたさ、命の愛しさが、
ぎゅうっとこみあげてくると思います。

.:*・゜.:*・゜.:*・゜.:*・゜.:*・゜.:*・


本日ご紹介した本の表紙などは、
こちらの記事に載っています。→こちら


JUGEMテーマ:読書


本日いろいろオンエア
kumo



<<お知らせ>>

今日は、朝から、ドクスメの清水店長が
ラジオのベイFMに出演して、
3時半からは、ラジオのJ−WAVEに登場して、
「世直し本屋さん・読書のすすめ」のお話を
しておられました。

すごいなぁ! 
新刊が発売されたわけでもないのに、
先日までは、新聞雑誌の取材ラッシュで、
今度はラジオの取材ラッシュですか〜と
思っていたら、


なんと、今度はフジテレビの
16:53〜19:00のスーパーニュースにて、
先日、読書普及協会の総会などで撮影された
「やきとりじいさん体操」
オンエアされるそうです。



放映日は今日!


7分も特集をやるそうで、
今のところ17:29前後放映が濃厚だとか。


重なるときは、重なるものですね〜。
読書普及協会ブラボォ拍手

さあ、今日はオリンピックを見るのを
一時中断して、まきちゃんの勇姿を、みんなで
あおごうではないですかラブラブ



ぴかぴか追伸:DJハゲッチ、誕生!ぴかぴか
な〜んかね、谷村新司ばりの、
エッチな声で、はげっちさんがしゃべってますよぉ(≧▽≦)
内容も濃いので、ぜひ、最後まで聞いてみてくださいラブ
→コチラ


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残暑お見舞いデス
残暑

青い水差しは、沖縄のもの。



ふと、写真で見かけた寄せ集めの器たち。


でも、見ているだけで
心を元気にしてくれるビタミンカラーが嬉しくて
ゴシゴシと描いてみました。


間もなく、
8月も後半です。

オリンピックの選手たちに勇気をいただきつつ、
夏バテ知らずでがんばりましょうo(^^)o



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『養生とんこつラーメン』と汗

カメラ壊れる


う〜ん…まだ2年半しか
使っていないのに、何故?





もちろん、理由はわからない。




新しいのを買い替えればいいのだけど、
どうも寿命には早かったような気がして、
しかも、予兆なども一切なかったので、
なんだか、ひたすら「う〜〜〜ん…?」
と唸ってしまう。



昨日までは何でも写っていたのに、
今日使おうとしたら、すべてがこんな感じに↓


ご夫婦

桜




まるで、フォトショップで画像処理したような…(笑)


これはこれで、少し風情があるかな(笑)




まっ とりあえず、気を取り直して、
今日の記事(^0^)ゞ



先週か、先々週あたりの
すごくおてんき暑い日の昼間、
お昼も食べずに用事をこなしていたら、
急にエネルギー切れになってしまいました。



ランチの時間はとうに過ぎていたので、
あわてて、ラーメン屋ラーメンさんに飛び込みました。



きっと、この時期のラーメン屋さんって、
冷房がキィンとするほど、がんがんに
かかっているんだろうなあ…と、
半ば怖れ、半ば期待しながら。。。


陽光
(写真がないので、絵を描いてみました(笑)
 市ヶ谷 養生とんこつラーメン「陽光」
 カウンターなのに、女性が一人でも入りやすい
 オレンジ色の内装のお店です)



しかし、入ってみると、「???」


冷房がかかっていません。




扇風機は回っていて、
とんこつラーメン様の
空気をとろとろとかきまぜています。




窓は開いていて、
気づけば時折、そこから、
涼しい風がふわっと入ってくるのでした。



「さすが、『養生とんこつラーメン』屋さん、
 わざと冷房してないのかな?」


などと思いつつ、メニューを見ます。



 うーーーーん。。。



メニューを見ているだけでも、汗が出そう(笑)


 食べたらきっと、
 いっぱい汗かいちゃうだろうなあ。。。。


そう思いながら、スタンダードの、
『養生とんこつラーメン』を注文しました。


やってきたラーメンはこんな感じラブ
フーフーの、アツアツです(笑)


とんこつラーメン



でも、いざ食べ始めてみてびっくり!



暑い中での熱いラーメンって、
からだが、不自然に
熱くならないんですね!



思ったほど、汗ばんだりもしていない。


ごくごくとスープも飲んで、
一気に元気を取り戻し、
お勘定して、外に出ました。



すると、またびっくり!


外の風が、涼しくて、気持ちいいのです!!



これがもし、いつものように冷房で
キンキンに冷えたお店から出てきたら…



外に出たとたん、うだるような
暑さにげんなりしたんだろうなあ。





この場合、
外の温度自体は、変わっていないわけで、



…ということは、
人間は「今この瞬間の快適」のために
空気の温度を変えちゃうことで、


かえって体の疲労感を
倍増させているのかもしれないですね!



 …そう思うと、どうも、
 からだって、何か、この世の秘密を
 知っているような気がするよ!



どうやら暑い中で、ふーふー言いながら
いただく食べ物、飲み物は
意外となかなか、からだに優しい
ようですラブ




以来、夕食時は、冷たい氷入りの麦茶を
出すのを止めて、
ぬくい緑茶や、温いおから茶を
出すようになりました(^▽^)




暑い時期は、つい、
冷た〜〜〜い飲み物バーが欲しくなるけど、

冷たい飲み物や冷房は、
腎臓の「お疲れちゃん」を呼ぶそうです星


よく、季節の変わり目、
秋口もみじに体調をこわしてしまうってのも
そのせいみたい(^0^)


よ〜し、これからは
暑い時期こそ、みんなで
フーフー(^3^)湯のみしてみましょう!






 
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いくつになっても可愛い人に!
寂聴さん
んもう、なんてキュート(ラブラブ)


できれば、私もいつか、こんな可愛い
女性になりたいなあ!!




…と私がいつも思うのが、


今年86歳になられた

瀬戸内寂聴さんです。




寂庵だより


私は、この↑「寂庵だより」という、
月一回発刊されている
ミニ新聞(1部250円 年間購読2500円)
を寂庵から取り寄せ、
定期購読させていただいているのですが、




何がすごいって、寂聴さんのパワー!(@▽@)




だって…

86歳にして、休みなし! 


月に、徹夜2日ですよ!!



寂聴さん曰く、
「あまりに忙しくて、休むヒマもない」
のだとか(笑)


東京、京都、四国などをかけずり回り、


今年は、「源氏物語千年紀」で、全国から
およびがかかって、さらにお忙しく、


もう、それはそれは、
お元気にご活躍されているようすが伝わってきて、
読むたび、私まで元気が出ちゃうのです!




今月号では、
息子のような存在の横尾忠則さんが、
70歳を機に隠居宣言をされ、
「今後はいやな仕事は一切しない」と
言ったことについて、


寂聴さん自身は
70歳を過ぎてから源氏物語の現代語訳や
新作能、歌舞伎の台本や、狂言を書き、
80を過ぎてからオペラの台本を書いた
ことに触れられ、
 
そのどれもが好きで自信のある仕事ではなかった。
 薦められ、おだてられ、すかされて、つい
 引き受けてしまった仕事ばかりであった」


「健康に注意などしている閑もなかった。
 一日一日がぎりぎりの勝負であった。
 おかげで病気になる閑もなかったのである」


とおっしゃっている。




ひらめきなるほどなあ!と思うのです。


私たちはつい、
好きな仕事だけを選んでできたら、
どんなにいいかと
思ってしまうけど、


もし、それが叶ったら、
たぶん、何か虚しくなって、
可能性も、知らないうちに、
狭まっちゃうんだろうなあ。。。



やっぱり仕事って、
自分でも知らなかった可能性を、人が広げて
くださるのだと思います。



それにしても、70歳80歳を過ぎてなお、
新しい分野の才能を次々と
開花されていく、寂聴さんの生き様には、
勇気づけられますよね!




寂聴さんは、その昔、
本がいっぱい売れて、
流行作家と呼ばれるようになって、


毎日美味しいものを食べ、
いろんな場所に旅行に行き、
何枚もの高価な着物を持つようになり、


ある日、
「小説の書き方も全部わかってしまった」
と思ったとき、



ふと虚しくて、虚しくてたまらなくなり、




それで出家を決意されたそうです。




出家したら、もう原稿の執筆依頼も
こなくなってしまうかもしれない…



と思いながら、


それでも出家せずにはいられなかった。





ところが、人生、面白い。



出家されたあとは、
仕事が無くなるどころか、ますます忙しくなり、
文筆業と仏道の二つをこなさなければ
ならなくなった。



あるとき、新幹線の中で、たまたま出会った
美輪明宏さんに
「私はどうして出家したのか、
 自分でも今ひとつわからないので
 教えてほしい」
とお話したところ、



美輪サマは、じっと目をつむって霊視を始め、


そこから、寂聴さんが東北天台寺の住職を
引き受けることになった意味や、
源氏物語の仕事をする因縁にまで、
お話が発展していき…
(ここらへん、お二人の共著『ぴんぽんぱん二人話』
 (集英社)という本に詳しいです)


その後のご活躍ぶりは、今、私たちが
知っている通りです(^▽^)





寂庵だより


「寂庵だより」の中には、
人生相談のコーナーもあるのですが、
これがまたいいんですよ!


 わあ〜日の出
 なんて、スカッと気持ちのいい答え!



と、いつも読むだけで
心に青空が広がるような気がします。


「薬局で薬をもらったら、
 後期高齢者という表示が袋に
 書いてあって、不愉快だった」

とおっしゃる寂聴さん。


その笑顔は、可愛いらしくて、色っぽくて、
けなげで、しかもかっこいい!




お茶の先生のお宅で会う
女性の先輩方のお姿を拝見していても
いつも思うのですが、


輝いてぴかぴか年を取るって、可能なのだ!
と勇気づけられてしまいます。



皆さま、


ぜひ、一緒に
寂聴さんのような、ステキな大人の女性、男性を
めざそうではありませんか(^0^)ノ






「寂庵だより」のお申し込みはコチラから!

私にとっては
月一回の元気エネルギーの素♪

おすすめですよぅ(≧▽≦)ラブ



 
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