どんなぶ厚い壁にも必ず穴はあいている!
2011.12.31 Saturday
ちょうど昨年の、年の瀬のことです。
新年を迎えるにあたって、
私は一つだけ、決意したことが
ありました。
それは、
「2011年は…
ということです。
皆さんには、自分の『テーマ』が
ありますか?
『テーマ』って一体、何のことを
指すのでしょう?
私の場合を例にとって、
お話してみましょう。
かつて、
編集者からイラストレーター
になったとき、
私が目指したのは、
「いつかは、絵と文の両方で
メッセージを
伝えられる人になる!」
ということでした。
その日から、
イラストのお仕事を始めて
14年。
4年前からは「絵と文」の
実験的制作も
始めました。
けれど、
けれど、
私にはひとつ、
「大事なもの」が見つかって
いなかったのです。
必ず小さな穴が
つまり、結局、
それが、
「テーマ」
人生も後半に入り、
残りの人生をかけて、
この世に伝え、遺していきたいこと。
せっかく生まれてきたからには、
自分の命を最大限に使って、
「このこと」でお役に立ちたい
という切なる願い。
テーマ、テーマ、テーマ。
私には、その、人生のテーマ
との出逢いが
まだ訪れていなかったのです。
いえ、何となくはありました。
たとえば、
「手作りだけでしか
伝えられないような、
何か、あたたかいもの」
「人から人へと受け継がれていく、
何か、深いもの」
「生きるって素晴らしいんだよ、
こんなにキュンとすること
なんだよ、
って思えるような、
人間讃歌のようなもの」
けれど、その「何か」って
何だろう?
こんなにも漠然としたものを、
どんな形にすれば、
人に伝えていけるんだろう?
それは、
曲がりなりにも「表現」を
仕事にしてきた
私にとって、とても切実な
問題だったのです。
年が明け、一月になりました。
決意したからには、
とことん試行錯誤して
みようと、ノートに
アイデアを書きつける日々。
だけど、どんなに
「ひらめいた!」と思っても、
一日たってみると
「うーん…どうも違う…」
悩む時間ももったいなくて、
見切り発車で書き進めてみても、
どうもしっくりこないまま、
ボツばかりが
積み重なっていきます。
結局、何も見つけられないまま、
一ヶ月が過ぎ、
1月31日を迎えました。
「あーあ。やっぱりダメなのかな…
14年かけても見つから
なかったんだから、
もう一生、見つけられない
のかもしれない…」
ノートの隅に書きつけた、
そんな弱音が、
今でもしっかり残っています。
ところが、人生とは
わからないものです。
そのたった3日後、
忘れもしない節分の、
真っ暗な「新月」の晩でした。
降りてきたのです!
今まで、点だったことが、
トン、トン、トン!とつながって、
ヒラメキになって、どーん!!
と降りてきたのです。
翌日の私は…
その日を境に、
私の本格的な制作の日々が
始まりました。
その後も、
いろんなことがありました。
まず、3月11日の大震災。
東北の皆さんに比べたら、
東京の私が
弱音を吐いちゃいけないと
思いつつも、
ショックでしばらく
呆然としてしまいました。
今年は、安曇野、会津若松、
京都の三カ所で
取材を行うことができました。
それであらためて思ったのですが、
日本は本当に、素晴らしい国です。
どこに行っても、ステキな
人生の先輩との出逢いが待っていて、
たくさんのことを教えていただきました。
旅の感動を胸に抱き、
制作も、ワクワクしながら
進めていきました。
ところが、しばらくしてみると…
今度はまた、
新しい悩みが出てきたのです。
それは、
イラストレーター&ライターという、
生活の糧をいだだくお仕事と、
自分のテーマに沿った制作をすることとの、
「時間的両立」。
今までもずっと悩んできたことでは
あったのですが、
私が今年取り組みだしたことは、
これまでとは
段違いの時間とパワーがかかります。
ひとつ壁を乗り越えれば、
また新しい壁が現れるのでした。。。
でも、これは、表現を志す者なら
誰もが通る道。
弱音など、吐いてはいられません。
「まったく、
どえらいことを
始めてしまったなあ」
と何度も思いました。
ときどき
「もう後戻りできない…」
という自分を感じるにつけ、
恐ろしさに愕然とすることも
ありました。
「ああ、そうか。
一つの選択に自分のすべてを
賭けるってことは、
他のすべての選択肢を
捨てるってこと
なんだな…」
と気付いたときがあります。
そのときは、
マンガみたいに青ざめて、
「まったく、なんて
おっかないことを
始めてしまったんだ!!」
とも思いました。
でも今年一年、
いろいろやってみて、
今、あらためて言えることが
あります。
それは、
「私は本当に、自分にピッタリの
テーマを見つけることが
できたんだなあ」ということです。
そのテーマのことを考えると
今でもドキドキワクワクして、
どうしようもなく、
ときめいてしまいます。
制作も大変だけど、
逃げずに、まっすぐ
向かいあっていけば、
今までには感じたことが
無かったような、
深いところまで降りていける感覚が
あります。
ああ、始まったんだな。
私の旅が、
2011年の今年、
本当に始まったんだ…!
と思います。
皆様に、きちんとした成果を
お見せできるまでは、
おそらく3年はかかろうかという
長いプロジェクトになりますが、
焦らず、奢らず、怠けずに、
この道の途中で見るいろんな風景を
しっかり味わいながら、
楽しく歩いて行こうと思います
どうか、楽しみにお待ちくださいね!
そして、
最後にもうひとつだけ、
今年私が掴んだ、人生のコツを
お教えしましょう。
それは
「壁にはばまれ、
前に進めなくなった!
と思ったときの乗り越え方」です。
その壁には必ず…
空いています!!
穴を見つけるときは、
コツがあります。
小さな穴が指し示してくれる
解決法はそんなに「大それたこと」
ではありません。
むしろ、
自分が調子の良い時には、
何の疑問もなくやっているような、
「いつもの方法」だったりします。
最後は自分自身に帰ることが、
唯一の流れであり、道なのです。
けっして忘れないでくださいね!もしも壁に囲まれても、
さがせば絶対に
穴が空いているということ。
そこから、また、新しい流れを
作っていけるということ。
…以上、2011年、
いろいろお世話になり、
本当にありがとうございました!
JUGEMテーマ:小さくて大切な幸せ。