路地裏の美学
2013.07.28 Sunday
文京区の路地裏で見かけて、
なぜかキュンとした風景を
描いてみました。
私が生まれてから
8歳になるまで住んでいた
千代田区の小川町二丁目界隈には、
車が一台通れるか通れないか
くらいの細い路地があって、
その路地では、どの家の前にも、
こんな感じの小さな植木鉢が
うじゃうじゃと置いてありました。
盆栽のように、美しく
刈り込まれているわけではなく、
どちらかと言うと、
「いやね、うっかりしてたら
いつの間にかこんなに増えて、
しかもどんどん伸びちゃってさ、
どうしたらいいかわかんなくて、
このまんまにしてるんだよね」
みたいな感じの、
植木鉢たちです。
高いビルに囲まれて、
お日さまが差し込む時間は
ほんのわずか…。
でも、草花と一緒に、
コンクリートの地面にも
毎朝打ち水がされ、
夏はそれがプンと匂って、
なかなか良いものでした。
母は三味線と小唄を
習っており、
靖国通りの車の騒音にも
めげず、ときどき弾いて
聞かせてくれました。
今思えば、
それらはまさに、
『路地裏の美学』でした。
子どもの頃はご多聞にもれず、
バレリーナに憧れていた私。
なのに、
習わされたお稽古ごとは、
何故なの? どうして?
「日本舞踊」
「なんで母は、
日本の古くさい習い事を
するんだろう?
させるんだろう?」
と、いつも不思議に思って
いましたが、
今になってみると、
「サチボン、やるなぁ!
粋だなあ」
と感心します。
コンクリートジャングルの
町の中にも、
大人たちはちゃんと、
文化と美意識を育てようと
していたんだと思います。
東京駅前の風景ですが、
思わず「ここ、どこ?」
と言いたくなる風景でしょ?
すごい勢いで
変わっていくのも、
東京なら…
変わらない路地裏も
また東京か…
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